これって、どう理解して、どう受け止めればよいのだろう。
以下、独断と偏見による個人的な現状理解のメモ。
「ワーキングプア」に関して。まずは、あまりにも基本的な話だけど、機械化出来ない、つまり人間がやらなければならない、けれども単純な作業というものが製造業において相当量存在すると言う事。ここが搾取の対象になっている。企業は彼らを搾取し、犠牲とすることで業績を回復し、ひいては日本の景気も回復しつつある。つまりは我々日本人一人々々が恩恵にあずかっているわけだ。「ある世代」という形ではくくれないが、何らかの傾向でまとめられそうなグループが、このまま歴史の中で抹殺されていこうとしているようなイメージを抱かせる。
ヨタ話だが、かつて原発施設の清掃は、手配師が新宿で浮浪者を集めてやらせていたそうである。本来ならば放射能防護服を着用し、それでも限られた時間しかいる事が出来ないような場所の作業を、素のままの格好でやらせ、とうぜん体の不調をきたしてバッタバッタ死んでいくわけだけど、もともと身寄りのない人達だし、大きな問題にもならずに看過されてきた云々・・・。この人達の犠牲の上に成り立っている電力を我々は湯水のごとく消費しているわけです。むかし鳥越さんの番組でやってたこの話を思い出した。
法律とは常に現実の後追いしか出来ないので、「ワーキングプア」という現象が認められたが、まだ対策が出来ていない、という事なのだろうか。いや、もちろんそうなのだろうけど、その原因は社会や産業の構造上、あるいは資本主義の宿命として、やむを得ないものなのだろうか。どうもそればかりではなくて、規制緩和による法律の隙間を上手くついた派遣業者が確信犯的に搾取を行ったというのもかなりあるようである。後者であれば、ある程度対象を特定して保障も出来そうだけど、今の日本にゃ財源がない・・・。
さて、ついこの間までは、労働力市場というのは一国のなかで閉じて考えればよかった(たぶん)。経済のグローバル化で、労働力そのものが国境を越えて流動を始めたし、実際に流入して来なくとも、出来上がった製品のコストとして考えれば、安い海外の労働力で生産された製品と対抗しなければならなくなった。工場内の単純作業というのは一番国際競争力が試されそうな分野ではなかろうか。原理的にいえば街の豆腐屋さんだってクリーニング屋さんだって同じ労働力なのだけど、生み出される製品やサービスがローカルなので第三世界と賃金競争する必要がない。グローバル化以前で言えば、工場内の単純作業で生み出される製品も内需だけを考えていればよかったわけで、街の豆腐屋さんやクリーニング屋さんと変らずそこそこの賃金を稼げた。
内需だけを考えればよかった時代という事で言うと、国内全体で考えた場合、工場内の単純作業労働者に支払われる賃金で、出来上がった製品が購入されるわけだから、コスト意識だけで労働者の賃金を抑える事は、一国内の経済を考える場合むしろ逆効果の面がある。「商品」というのは実際にお金で購入されてなんぼですから、産業資本主義では、資本は、資本家→労働者→商品(資本家)というループで増殖される。このループを加速させて回転数を上げるには賃金はそれなりに与えた方がよいという事になります。
それも今は昔。
そして、ホワイトカラー・エグゼンプション。
そもそも、俺、この範疇にいた事無いし、これからもそうだろうな。つか肉体労働やりたいな、つうのもありますけど。仮に前職がホワイトカラーだとして、自分だけがこの待遇受けたらやになりますけど、日本国中がそうなら話は変わってくるでしょう。つうか、社会構造自体ががらっと変わってしまう可能性が高い。これから先、産業界は内需に期待出来なくなるでしょう。こんだけ家電大好きな国民だったのにね。ま、資本の立場からすると「産業」への依存度は減りつつあり、これからは「金融」が主になってゆくのかもしれませんが。
現状でも「中産階級」がごっそり消滅しちゃってる雰囲気はあるけど、みんなが低賃金であればデフレでかえって暮らし易くなるかもしれないし、実際問題どう変るのか全くわからん。それはそれで、ある意味楽しみではある。
いずれにせよ、過渡期なんだろうな。仮に北欧みたいな理想的な福祉国家を目指すとしても、あるいは別の形態の国家を目指すにせよ、とりあえず清算しなきゃいけない事が多すぎる。
これからの日本を考える言説では、皆が一様に悲観的に語るんだけど、混沌が拡大していくようなこの状況に、俺はむしろワクワクしている。こんな状況だからこそ人生を楽しもう。子供をつくろう。いや、少子化対策とかじゃないぜ。子供は楽しいぞ。「こんな時代に生まれた子供はかわいそう」とかいう人がいるけど、それは子供自身が決める事だしな。ほっときゃ育つよ。
このまま人間の生活が資本主義に飲み込まれてしまうのか、はたまた共産主義革命以来のどんでん返しがあるのか。その前に環境破壊で地球が壊れてしまうか。
でもね、どっちにせよいずれ地球は肥大化した太陽に飲み込まれて消滅しちまうんだからさ。ちゃんちゃん。
余談だけど、「美しい国」というのは、かつての、そして今現在は存在しない「中産階級」を前提とした言葉の様に思える。20年くらいずれているんだよ。もう遅いんだよね。今現在はどっちかっつうと「食える国」にして欲しいんだよな。
一日早いけど、以上をもって2006年の総括とさせていただきます。
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